2011/03/31
くどい!と叱責を受けそうですが…スラロームしてから直進しようとすると、重心と接地面との中間位の高さに在るタンクの中でガソリンが揺れて車輌本体よりも短周期の振り子運動を来たしてステアリングに影響する、こう思って価格.comのくちコミサイトに『ガソリンが揺れて操舵に影響します。』と題して書き込みましたら侃々諤々。種々ご意見が出ましたが、「操舵への影響はV字型のガソリンタンク形状に依る」ことがほぼ断定出来ました。
愚母の入所しております老人ホームまで往復60kmほぼ絶えず揺れ続けましたのでローリングを来たす要因は何か改めて熟考しました。こんなに揺れ続けるには何かボディの中に揺れを発生させる装置が無いと有り得ない、と考えた訳です。
ボディパネルを外すの見ていてもタンク全体像を眺めた訳でありませんでしたのでパーツリストを見るまで気付かなかったのですが、ガソリンタンクは前後方向にV字型になっており前後に斜面があるので、ピッチングがローリングを増幅するのではないかとの仮説に至りまして、先程冷蔵庫の2Lペットボトルを斜めにして更にテーブル上で底部が線接触にならないよう隅に500円硬貨を敷いて僅かに傾けて1方向に揺すってみましたら、揺すっている方向の直交方向にも揺れ始め、続けていると液面が回転し始めました。
ガソリンが回転していれば「股下に一定周期で揺れるオートジャイロを備えたスクーターを無理矢理直進させようとしているような感覚」の説明がつきます。回転運動ならタンクに空隙の少ない満タン時にも揺れたのが頷けます。
何がおかしいのか今日こそ是非とも確かめたいと思うに至ったのは、渋滞路の路肩走行中に路上駐車の普通車を避けた時です。
フルロック右ターンで中央線近くまで右に振って車を避け左ロック右ロックで路肩に戻りましたが、殆どバンクさせなかったにもかかわらず揺れが始まったことに気付きました。速度は5乃至10kmph徐行の範囲です。
横Gさえ架かればガソリン面に横方向の揺れが発生しますので、連続スラロームは必要無かったのです。
横風1発の時も然り、その後加減速の繰り返しや路面のうねりのサスペンションによる吸収などで生じるピッチングだけでも液面に横揺れが生じ、加えて僅かな針路変更などローリングが加われば5km10km揺れ続けても何ら不思議はありません。
タイヤの空気圧を下げて症状が強く出たのを、タイヤのクッション振動が液面の揺れを増幅した、と考えたのもあながち間違いではありませんね。
F650GSの前に乗っていたTRICKERも傾斜タンクでしたが、往年のRTL250のようにシートよりも高い位置にタンクが配置されているので横揺れが生じてもステアリングへの影響は小さいのでしょう。
PCXマイナーチェンジでタンク形状を直立直方体に変更されるか縦パーテーションを設けるかしてガソリンの横揺れ幅を小さくしませんと、販売台数を伸ばすに連れて気付かれるオーナーも増えて来るかなぁと…。
小生のPCXほど揺れるのはシートを高くしたからかも知れません、設計想定外に重心が高くなったのかも知れませんが、ライダーの体重やパッセンジャーの乗車位置その他、悪条件が揃えば同じように揺れる場合が有るかも知れません。
納車直後にステアリングの振れに気付いて、初めの内はミラーマウントに共締めしたウィンドスクリーンが幌の役割をする空気抵抗の左右差が原因なのかと思いましたが、向かい風を受けて生じる振れに規則性は無く所謂ファジーでしたから、もっと早く固有振動に気付いても良かった位ですが、ガソリン揺れが原因にほぼ間違いないと判ればスッキリ。
後は本田技研で追試検証の上、今後の設計に生かして戴ければこれ以上のことはありません。万一そんなバカな!と言われたらPCXのタンクは17000円弱だそうですので、ひとつ買ってペットボトルと同じように揺すって液面が回転するのを動画に撮って送って差し上げようと思いますが、恐らくそこまでする必要は無いでしょう。
価格.com上のOOSSさまと仰る方がパーツリストを投稿して下さったお蔭です。この場を借りて厚く御礼申し上げます。本田の設計陣にもこちらの方に感謝して戴きたいですね。
2011/04/01
もうひとつ気付きました。ペットボトルをガソリンタンクに見立てて右にバンクさせて揺すった時は直ぐに右回転の液揺れが生じましたが、左にバンクさせたら左右に揺れはするのですが簡単には回転運動になりません。地球の自転によるコリオリの転向力がこんな小さな系にもキッチリ働くようです。
右バンクしながら加減速をすると見る間にステアリングがブレ始め、左コーナーでは同じ現象が生じ難いということになりますが、偶然にも日本が左側通行で左折のRがキツイ右折が緩くてスピードが乗り易い、というのも影響しているでしょう。
先日徐行暖機が済んで右折してからスラロームして以来5km揺れ続けたのはスラロームがきっかけなのではなくて、右折の加速が原因だった訳です。
因みにガソリンが右回転をするということは後輪の接地面を支点に考えた場合、右方向に液が動く方が支点からの距離が長いので慣性モーメントが大きくなると考えられますので、フライホイルのように回転が止まり難いというだけでなく、ステアリングの振れも実は左右均等でないかも知れません。
またPCXを南半球に持ち込むと例えオーストラリアの左側通行でも挙動に違いが出る筈です。だんだん面白くなって来ました。
3 週間前
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